夫婦・カップルカウンセリングは効果があるのか?

夫婦カウンセリングに効果はあるのか。関係の修復やコミュニケーションを改善して、仲良く安心できる家庭を築いていくためのきっかけを夫婦カウンセリングで得ることができます。今回はその効果を分かりやすく紹介していきますので、どうぞ最後までご覧ください。

夫婦・カップルカウンセリングの効果

夫婦・カップルカウンセリングはいくつかの効果が確認されています。どんな効果があるのか具体的にお伝えしていきます。

夫婦関係の修復

70%の夫婦・カップルが効果を実感。関係改善を実現している。

ほとんどのカップルがカウンセリングを受ける理由は夫婦関係の改善や壊れかけた関係性の修復です。

一つの研究例をご紹介します。

これは、エモーショナリー・フォーカスト・カップルセラピーと言われるカップルカウンセリングの研究です。

この療法を受けた夫婦は、夫婦喧嘩の減少、夫婦の関係に対する満足度の向上があり、70%〜73%のカップルが苦悩から回復し、幸せな結婚生活を送っています。また、その効果は持続的で、離婚の危険性が高いカップルにも当てはまるというものです。

他にも、認知行動カップル療法のカウンセリング効果を報告する研究が多くあります。

活用する理論や方法は様々ですが、夫婦・カップルカウンセリングを受けることで関係性の改善という最も大切な効果が確認できます。

親子関係の改善

夫婦関係の改善が親子関係にも波及する。

夫婦関係が改善される二次的な要素として、親子関係が良くなることがあります。

これは、家族療法の視点があると分かりやすいでしょう。家族療法では、家族はお互いに影響しあっているという視点で捉えます。夫婦関係、親子関係、兄弟関係、嫁姑関係など、家族の中の様々な関係がそれぞれに影響します。

私は、これまでの臨床経験で、よい関係はよい影響を生み、悪い関係は悪い影響を生むという例を多くみてきました。

夫婦関係の改善と同時に子どもの不登校や不調が回復したりなどです。その因果関係をはっきりと示すことはできませんが、相互に影響していることを考えると、夫婦・カップルセラピーの効果として期待できるものと考えます。

夫婦・カップルカウセリングのデメリット

夫婦・カップルカウンセリングは安全な環境で考えや感情を共有できる点がメリットです。もちろん考えや価値観には相違があるため、いつも円満であるわけではありませんが、安全に「喧嘩」できることが一つのメリットといえます。

しかし、溝が埋められないくらいの価値観の違いに気づくこともあり、必ずしも関係がよくなるというものではありません。結果として、関係に終止符をうつこともあります。

関係の終わりは、見方によっては、あらたな可能性が開くスタートでもあるし、お互いの違いを知ること自体は一概にデメリットとは言えないのですが、修復を期待してカウンセリングを受ける方にとってはデメリットと感じるかもしれません。

そのようなリスクはあるのですが、それでも前に進んでいかないといけないと感じることもあるでしょう。そういう意味で、カップル・夫婦カウンセリングの活用は有効な方法だと思います。

夫婦・カップルカウセリングの注意点

すでにDVなどの問題行動がみられる場合、不倫・浮気が継続中の場合などは、夫婦・カップルカウンセリングの実施が逆に行動化を引き起こし、関係の悪化が懸念されるので、セラピーは行ってはならないとされています。

その点は事前に確認の上で、夫婦・カップルカウンセリングを行っていきます。

夫婦・カップルカウセリングの技法や理論

全てではありませんが、代表的な夫婦・カップルカウンセリングの技法や理論をご紹介します。

エモーショナリー・フォーカスト・カップルセラピー

夫婦関係には、情緒的なつながりが必要であるとして、愛着理論と感情にフォーカスした方法をベースに関係性の改善を進めていくカップルセラピーです。

ストレスの多い出来事に直面した場合でも、セラピーの終了後2年を経過して時点で改善が続いているカップルもあると報告されており、期間の長い効果が期待できます。

セッションでは、感情的なやりとりの底辺に流れる傷つき感や恐れに焦点をあてて、率直に語り合えるように導いていきます。

認知行動カップル療法

認知行動カップル療法は、コミュニケーションなどの行動面と信念などの認知面の両側面の変容をすすめて、関係改善を目指すカップルセラピーです。

コミュニケーションスキルのアップ、問題解決スキルのトレーニング、夫婦間の出来事での勘違い、曲解、高すぎる期待などに気づけるようにサポートしていきます。

コミュニケーションスキルとしては、

・相手の話を遮らないこと
・相手のメッセージを理解したことを知らせたり、確認したりすること
・相手から「はい・いいえ」以上の答えを引き出すような質問をすること
・沈黙を歓迎すること
・厳しい追求を避けること

など、夫婦間コミュニケーションに役に立つ具体的な方法をお伝えしながら、その実践を一緒にすすめていきます。

家族療法

家族療法は厳密な夫婦・カップルカウンセリングとはいえないかもしれませんが、DVなどの重大な問題があるケースでも一定の効果が確認されているため取り上げてみました。

聞き慣れない言葉かもしれませんが、家族システムや家族の構造に着目して、適切な家族関係の構築を目指していきます。

もしDVのある夫婦にカウンセリングを適用する場合は、細心の注意が必要とされています。

・第一にパートナーがともにパートナーシップを大切に思い維持を望んでいること
・夫婦がともに同席での面接を望んでいること
・暴力発生のプロセスについて、感情的にならずに冷静に考えをめぐらすことができること

他にも多くの注意点があげられており、かなり厳しい条件をクリアしないと、DVの悪化や行動化の危険性が高いとされています。

夫婦・カップルのオンラインカウンセリング

カップルや家族に対するオンラインを活用したカウンセリングはまだまだその効果検証の途上にありますが、個人に対してのオンラインカウンセリングは対面のカウンセリングと同程度の効果があることがいくつかの研究によって報告されています。

実感としてオンラインによる夫婦・カップルのカウンセリングも同じように効果があると感じています。また、オンラインだからこそできることも多くあり、遠方だったり、外出が難しかったり、対面でのカウンセリングを敬遠したい人にはとてもいい方法だと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。夫婦・カップルカウンセリングの効果というテーマでお伝えしてきました。夫婦・カップルカウンセリングの方法にも触れましたが、興味がある方には参考になったのではないかと思います。

夫婦・カップルカウンセリングは金沢で対面でのカウンセリングを行っておりますし、オンラインでも受け付けております。オンラインであれば全国どこからでもお受けできます。金沢に来られないという方はご活用ください。

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