後悔したときにどう乗り越えるか

後悔したときにあなたはどう対処しますか?後悔することは生きていれば避けられないかもしれません。でもその後悔への対処の仕方で、その後の人生が大きく変わっていくと思います。今回の記事は、後悔したときの対処法や乗り越え方、断ち切り方についてお伝えしていきます。

後悔したときにどう乗り越えるか
後悔したときにどう乗り越えるか

後悔とは

後悔とは、辞書によると、「自分のしてしまったことを、あとになって失敗であったと悔やむこと。」とあります。つまり「悔しい」という感情の一つです。後悔は感情なんだという理解をまず最初にお伝えしたいと思います。

後悔したときの反省

後悔したときは多くの人が後悔と同時に反省をしていると思います。
「あのとき、あーすれば良かった」
「こうしていたら、問題にならなかった」

反省はなんのためにするかというと、次、同じようなことが起きた時に、同じような失敗を繰り返さないためです。

反省のいい面と悪い面

反省のいい面は次につながること、失敗に区切りをつけられること、よりよいスキル、生き方、対人関係のきっかけになること、などがあげられます。

反省は必要なものだと思いますが、一方で、不健康で良くない反省というものもあると思います。自分がその良くない反省におちいっていないか、客観的にチェックできるといいでしょう。

チェック
  • 何日も落ち込みが続く
  • 同じことを繰り返し繰り返し、何度も考えてしまう
  • 寝付きが悪くなる日が続く

このような状態があるのであれば、すでに反省とは呼べないものになっていると思います。自分の健康や適切な思考をむしばんでいるかもしれません。

後悔したときに断ち切る方法

後悔は感情の一つだとお伝えしました。つまり感情処理の方法を理解し、それを実践していくことで対処していきます。ステップを一つずつみていきましょう。

ステップ1 しっかり感じる

「断ち切る」とは真逆に感じるかもしれませんが、まずはしっかりと後悔の感情を感じます。感情は、身体感覚を伴うことは以前の記事でもご紹介しました。
(参考記事:感情とは?感情に揺さぶられずに上手に対処するためのヒント

感情の処理はその感情に気づいて、感じるところから始まります。感情を認識できないと、上手く処理できません。自分が感じている後悔をしっかり感じることが最初のステップです。

ステップ2 否定せずに認める

自分が感じている後悔を認めることが次のステップです。

感情を認識し、感じることができたとしても、それを否定的に見ているうちは、後悔を乗り越えていけないでしょう。

後悔していることを認めるということは、自分の「失敗」を認めるということでもあります。いえ、言い換えます。「自分が失敗したと感じている」ということを認めることです。失敗が後になって、人生のポジティブな転機になったり、最善のことだったと後で振り返ることを多く聞きます。

後悔という感情、感覚をしっかりと認めてあげてください。

ステップ3 後悔の背景や裏にある価値観を探索する

後悔に気づき、感じ、認めた上で、次のステップです。

後悔を感じる背景には自分の考え方や大切な価値観が隠れています。そのことについて自分で探索していきます。

探索する中で、自分の中にある別の感情や過去の記憶にたどり着くことがあるかもしれません。

ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、後悔という感情に自分なりの意味づけをしていきます。

このように感情には背景があり、それが何かを知ることで、自分にとってどういう意味があるのかということが分かってきます。

心理学者プルチックによる感情の輪と呼ばれる、分類方法では、後悔には、悲しみと嫌悪の感情があると言われています。何が悲しいのか、なぜ悲しいのか、何が嫌なのか、など、自問することで、自分の心の探索が進んでいくと思います。

後悔したときの乗り越え方

後悔を抱えられる強さをどう持つか

乗り越え方は人の数だけあると思いますが、案として私の考えを提示したいと思います。

後悔は、過去の出来事に対する感情です。

過去、現在、未来は時間軸という一つのラインでつながっているように感じます。しかし、後悔を乗り越えるとき、その過去、現在、未来を分けて考える、連続性にフォーカスせず、過去は過去、現在は現在、未来は未来というように考えてみることも工夫の一つだと思います。

その視点では、後悔は過去のもので、現在と未来は新たに今から自分が作っていくものという視点を持てると、乗り越える糸口が見つかるように感じます。

また、後悔を抱えながら生きるという選択もあると思います。

後悔は避けられないものだし、後悔しない人生ってあるのかな?と疑問を感じます。そういう意味で、後悔を抱えながら生きるということは現実的な対処だし、自然で健康的だ、というのが私の考えです。

こうなると、「どう乗り越えるのか」から、「後悔を抱えられるほどの強さをどう持つか」という課題にシフトします。

このように考えてみても面白いのではないかと思います。

後悔に関する名言

何かの助けになるかもしれません。過去の賢人が、どのような考えをもっていたのかをご紹介していきます。

・後悔とは、にがい徒労のあと戻りである。それは過失のへまな利用である。 -アラン

・ある行為を後悔する者は、二重に不幸あるいは無能である。最初に邪悪な欲望によって、次いで悲しみによって征服される者だからである。 -スピノザ

・よい教育とは、後悔を教えることである。後悔は予見されれば、天秤に一つの重味をおく。 -スタンダール

・悔は凶より吉に赴く道なり。 -中江藤樹

・昨日の非は悔恨すべからず。明日、これを念慮すべし。 -杉田玄白

・悔恨の情は、得意の折には熟睡し、失意のときには苦味を増すものである。 -ルソー

世界名言大辞典

なかなか辛辣な表現もありますが、私にとっては、ルソーの言葉が中立的で納得できるものでした。自分の状態によって、感じ方が変わってくるということはそのとおりだと思います。

スピノザの言葉は、辛辣すぎるし、「悲しみ」もとても大切な感情なのに〜!とついムキになって言い返したい気持ちになりました。

みなさんは、どう感じますか?

後悔を乗り越える心理学講座

後悔の予防法や対処についてオンラインの講座にまとめました。多くの方にお役に立つことを願っております。こちらから確認してみてください。

後悔を乗り越える心理学講座

おわりに

いかがでしたでしょうか。感情処理のプロセスや後悔を活かす方法について、お伝えしてきました。

これらは、一人で行うこともできますが、慣れていないと難しさを感じたり、上手く出来ないこともあります。そんな時は、プロのカウンセラーのサポートがとても役立つと思います。

金沢心理カウンセリングルームJONでは、石川県金沢市で対面でのカウンセリングを行っております。最寄りの駅は金沢駅になります。また、オンラインカウンセリングも受け付けておりますので、どうぞご利用ください。

ご予約・お問い合わせはこちら

この記事をシェアする