感情とは?感情に揺さぶられずに上手に対処するためのヒント

感情にはどんな種類がある?特徴や役割は?

揺さぶられずに安定して毎日を楽しく過ごすためにはどうすればいいでしょうか?

人の悩みは、お金、健康、人間関係、将来のこと、などが中心です。その多くに感情が関係していることをご存知でしょうか。

子どもへのイライラ、妻や夫への感情的なわだかまり、将来や健康の不安、お金がないことや失うことの恐れ、このような感情の問題に対して、私たちは何ができるでしょうか。

心理学が一つの答えを教えてくれています。
今回の記事では、感情とはなにか?ということについて詳しく書いていきます。感情に上手に対処していくためには、感情そのものを知るところからスタートです。

エモーション・フォーカストー・セラピー(感情焦点化療法)を学んできた臨床心理士が、カウンセリングの中で実際に活用している感情のいろんなことを書こうと思います。

感情と上手に付き合っていくために簡単にできる工夫や情報もできるだけ盛り込みましたので、ぜひ最後までお読みください。

感情の特徴


感情について、様々な研究があります。心理学、脳科学、神経生理学、情動認知科学、など、これまで得た知識とカウンセリングの経験を合わせて、私の理解をお話しようと思います。

感情とは、以下の大切な特徴があると思っています。

・感情とは、身体感覚であり、生理的反応であり、内臓感覚を伴うもの。
・感情はコントロールできない。
・ネガティブな感情は悪くない。
・感情を感じ切ると、 何かしらの変容や適応的行動がある。

感情と上手に付き合っていく上でとても大切な要素になると考えています。

一つ一つ、見ていきます。

感情は身体感覚

感情は、身体感覚である。特に内臓の感覚に注意を向けて、そのことを意識してみてください。
感情が身体感覚であることがわかるいくつかの言葉があります。
例えば、
・腸(はらわた)が煮えくり返る
・浮足立つ(うきあしだつ)
・胸に穴があく

身体の感覚が分かると感情から少し離れて客観的に自分と向き合うことができるようになってきます。

感情はコントロールできない

感情は自然と沸き起こるもので、その発生をコントロールすることはできません。環境を調整することで、特定の感情を感じたり、起こさなかったりすることは出来るかもしれませんが、基本的には感情はコントロールできないものとみなしてみて下さい。

どんな感情も自然発生的に起こるものと知っていると、嫌な感情を感じたとしても、自己嫌悪や落ち込むことが少なくなると思います。

ネガティブ感情のプラスの側面

後でもお伝えしますが、ネガティブと感じられる感情にも役割があり、生きるために必要なものです。そう考えると、どんな感情も重要なものだと分かってきます。確かに感じるには不快なものもありますが、決して悪いものではないことは知っておいて損はありません。

変容と適応的行動

感情を感じ切ると、変容や適応的行動が起きてきます。

時間が経過すれば、不快と感じる感情がなくなるわけではないということははっきりとお伝えしなければいけません。

決して簡単なことではありませんが、感情をしっかり感じるということがとても大切になります。

感情の種類と役割

もっとも基本的な6つの感情

生得的で基本的な感情について、その役割をご紹介します。

怒り
自分をないがしろにされたり、自分の領域に侵入されたりすることに気づき、自分を守るための感情。大切なもののために行動するエネルギーを与えてくれます。

驚き
びっくりすることで、意識をその事象に向けて危険を回避することができる感情です。

嫌悪
身体に悪いものを排除するように仕向ける感情で、嫌な臭い、味、人など、対象はさまざまです。

悲しみ
絆を作ったり、絆を確かめるための感情です。悲しみの涙を流すことは、心の傷や疲れを癒やすことにもなります。誰かに愛情をもらうためのサインにもなるので、とても大切です。

恐れ
危険を教えてくれて、危険から身を守るための感情です。適切な恐れは必要なものですが、不適切な恐れは、行動を制限したり、ウェルビーイングを下げることもあります。

喜び
生きる基本となる感情で、自分がこの世界の中で生きていくためのリソース(資源)を増やす働きをします。楽しいことをやろうとするとクリエイティブになれますよね。そのような大切な感情です。

それぞれに役割があり、生きるために必要な感情です。どれが要らないとかではなく、どの感情も必要なものということです。

他の高次認知的な感情

他の高次認知的な感情として、以下のような感情が挙げられます。
・恥
・てれ
・罪悪感
・誇り
・愛
・嫉妬
・不安

高次認知的な感情とはなんでしょうか。
感情には、生まれ持ったものか、後から学習したものか、の違いがあります。基本的な感情は、間違いなく生得的と言えますが、他の感情は、価値観や文化が土台にある中で感じるものもあります。

高次認知的な感情とは、そのように、生得的なものではなく、後から、認知される感情をさします。それらの感情は、脳の前頭皮質が使われていることからも高次認知的と言われます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。感情の特徴と役割について詳しくみていきました。その中で、聞いたことのない感情についての捉え方や考え方があったかもしれません。自分が生活していくために役に立つ考え方なら是非取り入れていただければと思います。

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参考文献
感情とはそもそも何なのか:現代科学で読み解く感情のしくみと障害
あなたのカウンセリングがみるみる変わる! 感情を癒す実践メソッド
エモーション・フォーカスト・セラピー入門

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