産後うつの乗り越え方。症状や治療法について解説。
産後うつ病とはどういうものか、症状や治療法について解説します。産後うつになりやすい人や症状を箇条書きで紹介しているので、分かりやすく確認できます。また、治療についても紹介しています。実際に困っている方だけではなく、これから出産予定のパパママにも参考にしていただきたいです。
産後うつとは
産後うつとは、産後に発症するうつ病のことで、出産後4週以内のものを指します。
周産期に発症するうつ病は、妊娠うつと産後うつに分けられ、また、マタニティブルーという言葉もあります。マタニティブルーは、20%前後の女性が経験するとされており、焦燥感や不眠、食欲不振、頭痛などの状態がみられます。1〜2週間で自然となおることが多いのですが、本当に多くの方が経験しているんですね。
ホルモンの急激な変化による一過性のもので、産後7日〜10日でみられます。ホルモン変化などの生理的なもので、病気ではないとされています。
ただし、マタニティブルーから移行する産後うつ病もあるので、注意が必要です。
産後うつの定義
DSM-5のうつ病の診断基準では、症状は気分の落ち込みや興味関心の消失などがあげられています。症状が2週間以上続く場合にうつ病の診断となります。
うつ病についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
また、以下の記事にも対策やこころがけたいことを記載しています。
産後うつになりやすい人
実は、10人に1人は産後うつになると言われており、多くのママたちが苦労や辛さを感じていることが分かります。
産後うつになりやすい人の特徴をあげてみるので、当てはまる項目が多ければ注意してみてください。
- 特徴
- 飲酒や喫煙をする
- 妊娠や出産にもともと否定的であったり、迷いがあった
- うつ病や不安症や双極症の既往歴がある
- 家族に精神疾患の人がいる
- パートナーと仲良くなく、いい関係ではない
- 家族や周囲のサポートがない
- 経済的に困難な状態
産後うつの症状
産後うつの症状について代表的なものをあげてみます。これがあれば産後うつというわけではありませんが、チェック・確認に活用してみてください。
- 産後うつの症状
- 気分が沈む
- 涙もろくて、理由もわからず泣いてしまう
- 興味や関心がなくなる
- 以前と比べて動きが遅くなる
- 話すスピードが遅くなる
- 疲労感が抜けない
- 気力がわかない
- 母親失格だと思う
- 集中力がなくなる
- 物忘れが多い
- 赤ちゃんを心配しすぎる、もしくは無関心になる
- 悲観的でネガティブな考え方になる
- 死にたくなる
産後うつのチェック
産後うつのチェックとして、エジンバラ産後うつ病質問票がよく使われています。
ただし、この質問票で産後うつの診断ができるわけではありません。
診断には、医師の問診やより詳しい状態のアセスメントが必要です。
ただ参考になり、しかも簡単にできます。日本全国の自治体でも行っているので、ほとんどの出産前後の女性は実施したことがるでしょう。
エジンバラ産後うつ病質問票は以下のWEBから簡単にチェックできるようになっています。
https://www.kizunamail.com/epds/
このサイトは、きずなメールというメールで子育て支援を展開しているNPO法人が運営しています。
産後うつの乗り越え方
医療機関による専門の治療を受けてください。放置していると、自殺企図や自殺などの重大な結果を招くことがあります。
環境調整の上で、薬物療法やカウンセリングを受けるということが治療の大きな柱となります。
薬物療法は授乳などから不安を感じる方がほとんどかと思いますが、医師に要望を伝えて相談していきましょう。
医療機関でケアを受ける
産後うつの女性は、適切な医療的ケアを受けていないことが多いようです。妊娠中や授乳中のお薬の悪影響や心配があることと思います。
適切な医療を受けることはうつの対処としてはとても重要です。
お薬のことも含めて医師に相談してみましょう。もしお薬を飲みたくないのであれば、そのことも話してみてください。
カウンセリング
カウンセリング(支持的精神療法および心理教育)は軽度・中等度のうつ病には全例に行うべきとされています。とくに疾患の初期であれば、カウンセリングで改善する可能性も高くなるでしょう。授乳など、薬物療法に心配があればなおさらカウンセリングのニーズが高くなるかもしれません。
また、日本周産期メンタルヘルス学会のコンセンサスガイドによると、不安症には認知行動療法、うつには認知行動療法や対人関係療法、トラウマにはEMDRやトラウマに焦点化した認知行動療法などを要するとの記載があります。
カップルカウンセリング
夫や周りのサポートと理解が回復を助けます。カップルカウンセリングは夫の理解を深め、妻への適切な接し方が分かるようになったり、妻の大変さについての理解が進むことがあり、有効だと思います。また、夫婦の関係性にストレスがある場合もカップルカウンセリングは有効でしょう。カップルカウセリングはうつ状態の程度にもよると思いますが、試してみてもいい方法だと思います。
産後うつはいつまで?
産後うつは出産から4週間以内の発症が一つの目安とされています。発症から回復までの期間はそれぞれですが、子どもが1歳を超えても抑うつ状態が続いている場合もあります。待ったなしの育児の中で産後うつが長くなるととても大変です。できるだけ早いタイミングでの治療やケアがその後をよくします。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
産後うつについて、症状や特徴などを解説していきました。残念ながら産後うつで自殺してしまう人もいます。本当に怖い病気なので、細心の注意が必要です。本人だけではなく、まわりがいかに気づけるか、また、おだやかでやさしい関わりができるかが大切だと思います。
金沢心理カウンセリングルームJONでは、石川県の金沢で対面でのカウンセリングを行っております。オンラインカウンセリングやメールでのカウンセリングであれば、全国からのご依頼をお受けできます。カップルカウンセリングも行っています。ぜひご活用ください。
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