パーソナリティ心理学を対人関係に活用する方法
「あの人は、なんであんな行動をとるの!!」
「どうして、あんなこと言われなきゃいけないの💢」
と、人との関係で悩んだり、怒ったりすることはありませんか?
人の行動を決定づける一つの要因が、パーソナリティです。人間には、さまざまな性格があり、一人としてまったく同じ性格をしていることはないでしょう。
今回は、対人関係に活かすという視点で、パーソナリティ心理学の活用を考えていきます。
パーソナリティ心理学
パーソナリティとは、人間の行動や感情や思考を決定づける要因になるものです。パーソナリティ心理学は、人の性格傾向をあきらかにする学問です。
人のパーソナリティの理論は、大きく類型論と特性論に分けられます。
類型論
類型論とは、人間の性格をいくつかのカテゴリーに分けて考えます。その類型に共通する特徴を説明することで、人の性格を理解していきます。
古くは、ユングのタイプ論があり、外向型と内向型に分類しています。他にもエニアグラムと呼ばれる9つのタイプに分類する方法などがあります。
特性論
特性論とは、人の性格を構成する要素を「特性」として抽出して表現する方法です。特性はグラデーションのように分布するため、無限の組み合わせがうまれます。
ビッグファイブ
特性論の中でとくに研究されているのは、ビッグファイブ性格理論です。性格を5つの特性にわけて、記述していきます。5つの性格特性はこちらです。
良識性(誠実性)
協調性
情緒安定性(神経症傾向)
知的好奇心(経験への開放性)
性格診断を対人関係に活用
パーソナリティ心理学や性格診断をどのように対人関係に活用するか。
とくに対話ができる関係性において威力を発揮すると考えています。具体的には、性格に関して真正面から話し合うということです。
逆に、対話があまりできない関係性であれば、その活用はとても限定的になってしまいます。
「あの人は、こんな言動をするのなら、こうに違いない。」
などと推論し、決めつけることは、あまり建設的ではないように思います。
ただ使い方次第で、自分の助けになったり、関係性を良好にするきっかけになることもあります。
対話ができる人とであれば、診断結果を共有しあいながら、良い悪いのジャッジを脇に置いて、特徴や傾向を話し合ってみてください。
夫婦関係
特に夫婦関係では、性格や価値観の不一致は、関係を破壊する致命傷になりかねません。
しかし、そもそも性格や価値観が一致することはなかなかないでしょうから、二人の違いをわかっておくことはコミュニケーションの大きな助けになります。
たとえば、ビッグファイブ理論における協調性が低い夫、良識性が低い妻の組み合わせ。
妻は、夫に話を聞いてもらいたかったり、共感的に受け止めてほしいというニーズが満たされにくいでしょう。
夫は、妻の衝動的な言動や後先を考えずに行動することを疎ましく感じているかもしれません。
しかし、お互いの性格をわかって、その傾向を知ることで、適応的な関わり方ができる可能性は増えます。
話し合うことで、お互いのニーズがわかることも大きなメリットですね。
親子関係
親子関係では、子どもの性格や傾向を知って子育てに活かすということが考えられますね。
または、ある程度大きくなった子どもが、親の言動や接し方に困難さを感じて、親の性格を考察するということもあるかもしれません。
親子であっても自分とは別の人間で、わからないことがたくさんあります。また、発達障害や発達の課題も合わせて考えていきたいところです。
性格は遺伝的な要因が50%、環境的な要因が50%といわれています。子ども時代は、性格や人格形成において重要な時期です。親がストレスフリーでなごやかにいられることは、子どもの生育にもプラスになります。そのためにも、子どもの性格を客観的に知ることはメリットが大きいと思います。
上司・部下の関係
上司と部下などの仕事の関係で性格を話し合うということはほとんどないでしょう。そのことで、コミュニケーションをすることは難しいので、こちらの一方的な推測と理解を関係性に活かしていくことになります。
その際、決めつけるのではなく、仮説であることをちゃんとわかっておくことが大切です。
自分の中で納得がいく説明ができると、距離感や関係性をうまくコントロールしていくヒントになると思います。
性格診断
パーソナリティの心理検査で有名なのものとして、MMPIやロールシャッハテストやYG性格検査などがあげられます。実施や解釈には専門的なトレーニングが必要で、なかなか手軽に受けられるものではありません。
わかりやすさやでいうと、ビッグファイブの性格診断があげられると思います。日本語で受けられるビッグファイブ性格検査は、特性5因子性格検査やNEO-PI-Rなどがあります。
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