夫婦のコミュニケーションを解説!関係を破壊するコミュニケーション

夫婦関係の良し悪しは、普段からのコミュニケーション次第です。今回のコラムでは、夫婦のコミュニケーション、特に関係を破壊するコミュニケーションについて紹介します。知るだけでも、自省したり、注意することにつながります。

険悪な夫婦関係のストレスの大きさは、説明するまでもないですよね。本当につらく、苦しいものがあります。少しでも改善したり、予防できたりすると、幸福度はとてもあがるでしょう。

破壊のコミュニケーションを学んで、自分たちの関係性の参考にしてください。

夫婦のコミュニケーションのパターン

コミュニケーションにはパターンがあります。みなさんの夫婦喧嘩にもきっとパターンがあるはずです。ぜひ思い返してみてください。

いくつか代表的なパターンを紹介するので、参考にしてみてください。

抗議する-引きこもるコミュニケーションパターン

二人の間で何か意見が対立したり、感情的な対立があったときの典型的なパターンの一つがこの抗議-引きこもりのパターンです。

抗議とは、たとえば、責める、問いただす、非難する、要求する、文句を言う、けなす、などのこと。

引きこもりは、黙り込む、応答しない、話しをそらす、相手にあわせる、機嫌をとる、なだめる、自分を擁護する、などです。

引きこもりの行動は、自分を守るためだったり、、二人を対立させないためのものです。しかし、一方でこの引きこもりが、余計に相手の感情を逆なですることもあります。

引きこもりは、気まずいやりとりを避けたり、対立や仲が悪いことを避けたりするために行っているのに、余計ぎくしゃくする結果を引き起こすなんてちょっと悲しいですね。

声を張り上げるコミュニケーションパターン

二つめのパターンは、どちらも抗議するパターンです。

たとえば、相手が悪いと非難の応酬になったり、対立がエスカレートすることも多々あります。

抗議がどんな形で出るかはその人のキャラクターにもよりますが、どこかでブレーキをかけないと悪い関係一直線のようなパターンですね。

とにかく争いを避けるコミュニケーションパターン

三つめは、どちらも引きこもるパターンです。

つらい状況にカップルのどちらも避けるというパターンで、物理的にも感情的にもお互いから遠ざかってしまいます。

よく夫婦の関係で、冷戦状態という表現が使われますが、まさにそんな状態です。

いかがでしょうか。夫婦喧嘩はいずれかのパターンにあてはまることがほとんどだと思います。

パターンを脱するためには、そのパターンに気づくことが最初のステップです。まずは知識として知っておくことが大切です。自分たちの喧嘩のパターンを振り返ってみてください。

破壊的な夫婦のコミュニケーション

次に関係を壊す破壊的なコミュニケーションについてご紹介します。パターンと同様に、自分がこれらのコミュニケーションになっていないかチェックしてみてください。

非難のコミュニケーション

相手への不満はだれでも持つものですが、非難は相手を傷つける言葉の暴力です。相手の性格や人格を否定したり、攻撃したりする言葉が非難であり、それはただの不満ではありません。

軽蔑・侮辱のコミュニケーション

皮肉たっぷりに相手を侮辱したり、軽蔑の目を向けることは関係を破壊させます。どうしても言いたくなることもありますが、言う前に侮辱していることに気づけるかどうか。そして、直前でもそれを止められるかどうかが試されます。

防衛と自己弁護のコミュニケーション

相手から責められたり、攻撃的な反応を受けると、自己弁護をしたくなります。それはとても自然な反応だと思います。ただ、この自己弁護で関係が良くなることはあまりありません

逃避のコミュニケーション

逃避は、これまでの非難・侮辱・自己弁護のあとにやってくるもので、言葉でのコミュニケーションをしないというパターンです。これも関係を破壊するコミュニケーションです。

これらのコミュニケーションを自分から発していることに気づいたら要注意です。

ただこの分類は、相手をジャッジしたり、批判したりするためのものではありません。あくまで自分のコミュニケーションのチェックとして活用してください。

相手に適用して、ジャッジすること自体が「非難」になりえるので、取り扱いには注意が必要です。

夫婦喧嘩の上手な仕方が大切

喧嘩はどんな夫婦でもあります。その喧嘩の仕方が重要なんです。これまでお伝えした関係を破壊するコミュニケーションではなく、冷静に自分の感情を感じながら、相手を尊重する。その中で話し合いを進めていきます。もし感情的になったり、悪いコミュニケーションがあっても、それをその都度カバーできると、大事には発展しません。

大事なことなので、もう一度お伝えします。

うまくいっている夫婦も喧嘩はする。喧嘩の仕方が重要です。

カップルカウンセリングで夫婦のコミュニケーションを改善する

カップルカウンセリングでは、カウンセラーが間に入って上手に喧嘩する方法を学べるという利点があります。

感情の問題や過去の傷つき体験、発達障害や精神障害がある、など、より複雑な課題が絡む場合も、状況や状態に合わせてカウンセリングをすすめていきます。

カップルカウンセリングについては、こちらの記事も参考になります。ぜひご覧ください。

夫婦・カップルカウンセリングは効果があるのか? (japan-counseling.com)

おわりに

今回は関係を破壊するコミュニケーションについてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。知識として知っておくと、自分が悪いコミュニケーションを行っていることが客観的にわかったります。気づけると改善ができます。

完全になくすのは難しいですが、意識していればすこしずつでも改善をしていけます。

参考文献

ジョン・M・ゴッドマン(著)結婚生活を成功させる七つの原則 第三文明社

ベロニカ・カロス・リリー (著)カップルのための感情焦点化療法ー 感情の力で二人の関係を育むワークブック 金剛出版

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