適応障害に有効な治療法とは?特徴や自分でできる対処法・予防法も紹介
職場での不適応から適応障害の診断を受ける人が多くいらっしゃいます。ストレスが原因で心身が不調になるのです。職場だけではなく、学業や発達障害の影響による不適応、家族関係などストレスの原因はさまざま考えられます。
適応障害はストレス性の疾患と分類されていて、特定のストレスが原因で、心身に不調をきたす疾患です。つまりストレスにどう対処するかがとても大切なのです。今回は、症状の解説と回復や予防についてお伝えしていきます。
適応障害とは
適応障害はストレスが原因
適応障害は、精神疾患の診断に使われるDSM-5では、ストレスが要因となる疾患に分類されています。
特定のストレスが原因で心身に様々な不都合が出ます。まず、情緒的な変化、例えば、抑うつ、イライラ、不安、怒り、焦り。また、行動面で、飲酒、暴食、攻撃的な言動などが見られるケースがあります。身体症状として、発汗、めまい、吐き気、不眠などの症状があります。
何がストレスとなるのかは様々ですが、例えば以下のようなものがあげられます。
過重労働や自分に求められるスキルや結果が高すぎるなど
・職場の人間関係
とくに上司との関係性が悩みとしては多いです。
・夫婦や家族関係
家族が安心できる関係性じゃないというのはとても大きなストレスになります。
・新しい役割や環境の変化
たとえば結婚、昇進などの一般的にはポジティブなこともストレスになります。
適応障害の治療法
適応障害にはカウンセリングが有効
治療においては、ストレス因の排除が大切です。これを治療というのかは分かりませんが、ほとんどのストレスの問題は環境が変われば解決に至ります。適応障害でもその基本的な点は変わりません。
またストレスに対処する力を養っていく必要があります。これはスキルであり、スキルはトレーニングで得ることができます。
だからこそカウンセリングが有効なのです。
方法や内容は多岐にわたりますが、リラクゼーションスキル、適応的な認知や考え方を取り入れる、コミュニケーションスキルのアップや生活リズムを整え、生活の充実を図ることもとても治療的であり、かつ予防的です。
抗うつ薬や抗不安薬などの薬物を用いることももちろんありますが、適応障害そのものを治すものではなく、症状を和らげるために活用するものです。
環境の調整やカウンセリングなどの心理社会的な治療がとても大切にだと思います。ただ、環境調整はすぐできないことが多いのも事実。ストレスコーピング(ストレス対処)や感情や行動のコントロールを実践することが大切になります。そのためにカウンセリングを活用することはとても効果的です。
適応障害の特徴
出てくる症状がうつや不安と区別がつきにくいことが挙げられます。当然、治療の方針が変わってくるので、注意が必要です。経過をしっかり見ていくことが必要になります。
見分けらるヒントとなる特徴をあげてみます。
- 特徴
- ストレス要因がなくなったら、症状が消失する。
- ずっと辛いわけではなく、元気なときもある。
これらの特徴が自覚できれば、適応障害を疑ってみてよいと思います。
適応障害の予防
適応障害の予防は、ストレスにどう対処していくかに尽きる
ストレス対処は、自分ではどうしようもできないストレスもありますが、出来ることを出来る範囲で行っていくことが大切です。
- リラクゼーションの時間を持つ
- 楽しい活動をする
- 周りからのサポートを受ける
これらは、常に意識しておきたいストレス対処の指針です。
カウンセリングでは、状態別に自分でできるストレス対処法を整理したり、あらたに試してみることをやっていきます。
状態別とは、大きく4段階くらいに分けて考えます。
- ①良い状態のときに、その良い状態を維持するためにできること
- ②ちょっと落ち込んできたり、疲れたな〜と感じ始めたとき
- ③かなり落ち込みが激しい、疲れがとれないとき
- ④症状を自覚して、日常生活が難しくなっているとき
例えば、①の状態だと、美術館に行ったり、コンテンツを楽しむなどができると思いますが、同じことを④の状態ではできないでしょう。
これらの状態別にできることを事前に考えていきます。
「事前に」が大切です。
なぜなら、辛く苦しいときは、対処を考えることすらできなくなっているからです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。適応障害の対応で大切なことをお伝えしてきました。ストレスとの付き合い方や回復の方法を自分なりに作っていくことがとても大切です。そのために日常的なカウンセリングの活用は一つの方法として有効だと思います。
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