カウンセリングを受けると悩みが解消されていく本当の理由
カウンセリングを受けると悩みが本当に解消されるのでしょうか。今回はそんな疑問に答えていきたいと思います。
人生とは悩みに満ちています。私は一度も悩みを持ったことがない人に出会ったことがありません。世の中には悩みを持たない人もいるのかもしれませんが、大抵の人間は悩みを持ちます。生きていればそれはいたって自然なことです。
そして、時にその悩みは健康を害したり、自分の命を脅かすまでに大きくなることもあります。どうすればそのような悩みから解放されるのか。そんな大いなる問いに答えを出してくれるのが心理学です。
そして、その心理学をベースにしたカウンセリングが悩みの解消に役に立ちます。この記事では、カウンセリングの効果となぜ効果があるのかの理由についてお伝えしていこうと思います。
カウンセリングとは
カウンセリングは、専門的な視点から心理的な援助や支援を行う対人行為の総称です。
英語のCousellingは、アドバイスやサポートを与えると辞書では説明されます。
カウンセラーは話を聴くだけというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、アドバイスを与えることもあるし、指示的に関わることもあります。
病気や疾患を抱えている人だけではなく、健常な人にも大いに効果があるし、ある目標を立ててその達成を援助していくことも行います。
対人援助の一つの手法として、かなり幅広くいろんなことをやっていきます。
相談の内容は、対人関係の悩み、職業上の問題、夫婦関係や家族のテーマ、精神的な疾患など様々です。
しかし、実は全ての相談内容に共通していることで、カウンセリングが扱っていくテーマとしては実はこの一点に尽きるのではないかと考えています。
それは「自分」です。
全てはクライアント自身の価値観や物事の捉え方、コミュニケーションや行動のパターン、内的な精神力動や感情などに焦点を当ててプロセスしていきます。
環境やコミュニティにアプローチするという場合においてもそれは例外ではありません。
では、カウンセリングを受けて悩みや問題が解消されていく理由について、これまでの私の学びや経験をベースにお伝えしていこうと思います。
悩みが解消される理由1 カウンセラーとの関係
カウンセリングは1対1の対話や関係性によって進めていくものです。時にはカップルやグループでも行いますが。
カウンセラーは共感や肯定的配慮、受容的態度を持ってクライアントと関わります。
クライアントにとっては、受け入れられているという感覚を得ること自体が非常に治癒的であるため、自己肯定感を育み、自我を強くすることができます。
また、カウンセリングの初期の段階に、目標を定め、共通して取り組んでいくという認識を持つことで効果を大きくすることができます。
これはいわゆる、治療同盟という言葉で表現されることもある考え方です。
悩みが解消される理由2 期待感や希望
クライアントのカウンセリングに対する信頼や期待感によって、悩みが解消されることが実際に起こりえます。
これから起こるであろうと予期したことが実際に起こる傾向にあるということを聞いたことはありませんか。
つまり、カウンセリングに高い信頼を置くクライアントはよくなる傾向が高く、改善する傾向にあることが示唆されているのです。
逆に、自分が苦悩から解放されないと信じているクライアントは、カウンセリングの効果も薄いということが言えます。
カウンセリングの中で、励ましや希望、期待の言葉をかけることは、カウンセリングの効果的で価値のある技法の一つであることから、カウンセリングのプロセスの中で、現実の課題に期待感を持つことができるようになることも大きな理由でしょう。
自分が援助されているという事実自体が、既に強力な改善の効果をもちうるということですね。
悩みが解消される理由3 カウンセラーのスキルや技法
専門的な教育を受け、研鑽を積んでいるカウンセラーが用いるカウンセリングの技法やスキルは、実証的で効果が確認されているものです。
認知行動療法、精神力動的心理療法、体験過程的なセラピー、支持的精神療法、身体志向心理療法、感情焦点化セラピー、ソーシャルスキルトレーニング、リラクセーショントレーニング、マインドフルネス、アートセラピー、対人関係療法、EMDR、など、様々な理論と技法が開発されています。
それぞれの技法の紹介は別の機会にお伝えしていきたいと思っています。
このカウンセラーのスキルや技法が、クライアントの改善の影響力が最も大きいように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、カウンセラーとの良好な人間関係の方が強く影響していると推定する研究結果があります。
それを次に紹介しましょう。
効果要因の研究
カウンセリングやサイコセラピー研究で著名なランバートによる、カウンセリングでの効果要因を紹介します。
セラピーにおける人間関係・・30%
期待感とプラシーボ効果・・15%
技法・モデル要因・・15%
※あくまで推定であり、実証的に証明れたものではありません。
クライアント変数とは、クライアント固有の要素を指しており、統計的に確認した結果、効果が出やすい人と出にくい人の傾向が分かっています。
パーソナリティ障害を持たない
アタッチメントスタイル
完全主義かどうか
変容段階と段階に合ったアプローチ
ソーシャルサポートの有無
ジェンダー
性的傾向
経済的な地位 などをさします。
技法やモデルももちろん重要なのですが、カウンセリングの効果要因として、
・カウンセラーとの関係性
・期待感
などが多いに影響しているということです。
盲目的にカウンセリングを受ければすべて良くなると考えるのではなく、カウンセラーと健全な関係性を共に築いていくプロセスが意味があるということ。
また応援してくれて、自分以上に自分の可能性を信じてくれるカウンセラーの存在そのものがカウンセリングの効果に大きな影響を及ぼしている。
正しくカウンセリングを理解することで、カウンセリングから得られる利益も大きなものになると思います。
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