摂食障害の家族ができる回復のためのサポート

2019年8月17日

摂食障害の家族の方のお話をお伺いしていると、今どうするか、これからどうしようかの情報が必要とされてる、と強く感じます。絶対的な治療法がないためとても混乱し困り果てているということも多く見られます。ここでは、家族ができる回復のサポートというテーマをお伝えしようと思います。

家族が受ける苦しさ

摂食障害は10代や20代という若い方に発症しやすい疾患です。親や家族は大切な子供がみるみるうちに痩せていく様や食べることに関する異常に気づいたときはとても大きなショックと苦しさ・悲しさを感じます。とっても受け入れがたいことに対して向き合っていかなければいけません。育て方が悪かったのか、何か病気のかかりやすさに関して遺伝してしまったのか、なぜもっと早く気づいてあげられなかったのか、と自分自身を責める考えも出てきます。

本人は疾患や食行動の異常を隠したいと考えていることが多く、実際に周りに分かるタイミングでは身体的な異常が出てきている場合もあり、親や家族はこころの準備もできないまま不意打ちされるような感じです。自分の大切な家族のまさに命を削るかのような行動や有り様を目の当たりにすると心穏やかにいることは本当に難しいでしょう。

また疾患が判明してからの治療段階においても苦しさはあります。短期間に治る病気ではなく、また本質的には精神的な疾患なので、曖昧さや不安定さや得体の知れなさなどを感じることもあると思います。その状態が場合によっては何年も続くわけです。

関わり方のポイント

・食行動の異常について指図したり批判したりしない。
・出来たことにフォーカスする
・興味を持って話を聴く
・親の心配と子供の摂食障害を分けて考える
・家族自身が摂食障害に関する知識を深める。
・両親の関わり方に一貫性を持たせ、違うメッセージを与えない。つまり両親が疾患や関わり方についてよく話し合っておく。
・治療をお医者さんや病院任せにしない。

親には親にしか出来ない役割があります。医師や学校の先生のように医療や教育的な関わりではなく、暖かく受け入れる、存在を全肯定する、という、親がやるからこそ意味の大きいことがあります。安心できる環境があるというのは疾患の回復に有効です。難しいのは、本人の要求やわがままをそのまま受け入れるということではないということです。ダメなことはダメ、出来ないことは出来ないということは伝えなくてはいけません。ただ食行動に関しての指摘や注意は医療者の役割で親は執拗にしない方がいいでしょう。しかし、拒食症の場合、十分にコミュニケーションがとれていて、信頼関係があり、そのことについて治療者との認識を合わせている場合、直接に摂食をすすめることも改善につながることがあります。

もしよければ摂食障害の種類や治療法について以下を参考にしてみてください。
摂食障害のカウンセリング(障害の種類)
摂食障害のカウンセリング(治療法について)
摂食障害のカウンセリング(効果的な心理療法について)

家族自身のケア

家族自身が自分のケアをしっかりする、自分の人生を楽しむ、摂食障害やその家族の影響を受けすぎないようにすることはとても大切なことだと思います。

楽しめる活動をする、ホッと一息つける時間を持つ、ストレスとうまく付き合っていく、自分なりのストレス対処法を持つ、睡眠や食生活など生活リズムや生活スタイルに気を遣う、など、やれることは山ほどあります。

摂食障害の治療を進めながらも、自分のケアのための時間もしっかりとっていくことが必要だと思います。

摂食障害ではないですが、双極性障害や統合失調症など他の疾患を持つ家族の方向けの記事も参考になるかもしれません。参考に記載しておきます。
家族の双極性障害とうまく付き合っていく方法

参考
家族ができる摂食障害の回復支援
摂食障害治療ガイドライン
摂食障害 (エビデンス・ベイスト心理療法シリーズ)