摂食障害のカウンセリング(治療法について)

摂食障害の診断

摂食障害の診断は実はむずかしい側面があります。それは、食べていないことを隠そうとしたり、過食などを1人で行っていたりすることが多いためです。そもそも病気である認識が薄かったり、過食や代償行為に対して恥ずかしさを感じていたりするため、発見できず診断が遅れることもあるかもしれません。

様々なサイトから情報を得て、治療に対して否定的な印象を持っていることもあります。たとえば、強制的な栄養補給や不本意な入院治療を強いられるなどです。必ずしもそうではないのですが、そのことも隠したいという一つの理由になっているかもしれません。

摂食障害の治療法

治療法に関してですが、この治療法で全員が治るというような、見解が一致している理想的な治療法があるわけではありません。しかし、本質的には心理的な問題であるため心理療法やカウンセリングを受けて回復していくことが考えられる大きな選択肢です。

救急時の身体面のケアや内科的な処置は当然必要なこととして、ここでは、主に摂食障害自体の回復の方法に関して見ていくことにします。

拒食症、過食症で治療法や効果に違いがあります。

神経性無食欲症(拒食症)

拒食症は、重度の場合、入院治療が必要になります。生命を維持する栄養の確保が必須で、とにもかくにも生命に危険が及ばないまでに体重を増やしていくことが必要になります。そのためには、入院での栄養補給と食行動のコントロールを訓練していくことになります。しかし、疾病や行為について否認することも多く、治療に前向きに取り組んだり維持することそのものに困難さがあるので、治療の動機づけをいかに強固にしていくかが鍵です。

ボディイメージに対する認知の偏りなどもあり、対人関係療法、心理教育や家族療法などを並行して実施し、回復をはかっていくことも行われています。しかし、いずれも統計的に効果が証明されているわけではありません。実際に回復している方はいますので、セルフヘルプ、自助グループへの参加、段階によって認知行動療法の実施など、試すに値する方法は幾通りも存在すると思います。

神経性過食症(過食症)

過食症は外来で治療することが多いでしょう。

過食症の人は、過食することで心の安定を得ていることがあります。絶望感や不安感や焦燥感などのネガティブなこころの状態の解消のために過食行動をすることが多くあり、過食をすることで心のバランスをとっているという状態です。しかし、そのようなやり方では身体を壊してしまいます。より健康的なストレス対処の方法を構築していく必要があります。

過食症においては、認知行動療法や対人関係療法が統計的に効果があることが示されています。また抗うつ薬との併用は治療効果を増すが、治療を終了する患者が減るということが示唆されているようです。

治療法のまとめ

児童思春期における拒食症の家族療法、肥満を伴う過食症の認知行動療法と運動の併用、過食症、むちゃ食いの成人における認知行動療法的なセルフヘルプの方法、が有望であると報告されています。

また、拒食症の低い治療意欲の解消するために、動機づけ強化療法というものが開発されています。

自分できる摂食障害の対処法

治療法や回復の方法はいくつかある中で、以下のことについて整理していくのはとても有効だと考えています。

・症状や生活リズムをモニタリングすること
・困っていることについてしっかりと自覚すること

またできれば1人ではなく、治療者やカウンセラー・心理士などの専門家の助けを得ながら行うとより効果的です。

参考
摂食障害治療ガイドライン
摂食障害 (エビデンス・ベイスト心理療法シリーズ)